なぜノーミートなの?

なぜノーミートなの?どうして肉食はダメなの?

当サイトを運営する生長の家では、できるだけ肉食を控えることをお勧めしています。その理由は、肉食が生態系などの自然環境を破壊するだけでなく、世界の平和を阻害する要因になっていると考えるからです。

いま、地球上ではあらゆる地域で異常気象が頻発しています。その原因は二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に増えたことによる地球温暖化です。では、大量の温室効果ガスを排出して、温暖化を促進する要因となっているのは何でしょうか? 残念なことですが、それは私たち「人間の活動」です。【ⅰ】

この「人間の活動」の中で、温暖化の進行に大きな影響を与えているものの1つが「畜産業」です。

家畜のゲップ・肉の輸送で温暖化が加速

食肉生産量は世界全体で増え続けていて、その地球環境への影響も大きくなっています。FAO(国連食糧農業機関)によると、2023年に牛肉は7634万トン、豚肉は1億2461万トン、鶏肉は1億4603万トンが世界で生産されています(数値は2024年11月時点の推定)。【ⅱ】

これらの家畜の飼料となるトウモロコシなどの穀物の生産を増やすため、そして家畜の放牧地を確保するために、世界各地で森林が伐採されています。二酸化炭素を酸素に変換してくれている森林は減少し、温暖化が加速しているのです。

また、牛や羊などの反芻(はんすう)動物のゲップには、二酸化炭素のおよそ25倍の温室効果を持つメタンガスが多く含まれています。牛1頭から1日に排出されるメタンの量は160~200リットルにもなり、地球上には牛だけでも約15億頭いると言われているので、その影響はとても大きいのです。さらに、生産された肉は世界中に輸送されることになり、食卓に届くまでにも大量の温室効果ガスが排出されています。

畜産業が排出するメタン等を含む温室効果ガスは、地球全体から排出される温室効果ガスの12%になります(2022年、FAO=国連食糧農業機関)。【ⅲ】

南米アマゾンの熱帯雨林の焼失と牛肉消費

南アメリカ大陸、アマゾン川流域に大きく広がる世界最大の熱帯雨林は、多様な動植物が生息する「生物多様性」に富んだ地域です。この熱帯雨林は地球温暖化を抑制する上で重要な存在ですが、人間による農地開発のために焼き払われています。その土地を牧草地や家畜用の穀物飼料生産のための畑として利用し、肉用牛などを生産するためです。言い換えれば、食肉を買う消費者がそれほど多いからです。私たちが牛肉を食べることは、間接的にアマゾンの熱帯雨林の破壊に影響を与えていると言えるのです。

肉食が飢餓や水不足を深刻化させている

FAO(国連食糧農業機関)の報告書によると、2023年には世界で7億1,300万人~7億5,700 万人が飢餓に直面した可能性があると推定されています。【ⅳ】これは世界で生産されている食糧が不足しているからではありません。生産量で言えば、世界の全人口に十分に分配できるだけの穀物が毎年生産されています。

しかし、それらの穀物のおよそ3分の1が人間ではなく、家畜の飼料になっています。牛などの家畜は早く出荷可能な体重に太らせるために、穀物飼料を大量に食べさせられます。これは飼料から肉への変換効率が極めて悪いためです。少なく見積もった数値でも、牛の体重1kgを増やすのに約7kgの穀物飼料が、豚1kgには約4kg、家禽(鶏など)1kgには約2kgの穀物飼料が必要となります。

また、世界で飢餓に苦しむ人々の8割ほどは、実は余剰食糧のある国に暮らしています。ところが、その余剰食糧は、家畜の飼料に回され、その家畜の肉は先進国の豊かな人間に消費されています。言い換えれば、私たちが肉食をするということは、飢えに苦しむ人々から、間接的に食糧を奪っていることになるのです。

さらに重大なのは、食肉生産には膨大な量の水が必要となることです。例えば、飼料となるトウモロコシを1kg生産するには、かんがい用水としておよそ1800リットルの水が必要です。家畜はこうした飼料を大量に消費しながら育つため、牛肉の場合は1kgを生産するのに、およそ2万600リットルもの水を必要とするのです。『世界水発展報告書』(2023年、国連)によると、世界人口の26%(20億人)は安全に管理された飲料水サービスを利用できないとされています。また過去40年間をみると、世界全体で水使用量は年間約1%ずつ増加していて、人口増加、社会経済発展などにより、2050年まで同様の割合で増加することが予測されています。【ⅴ】このような状況で肉食をするということは、飢餓で苦しむ人々から水も奪い取る結果になるのです。

今日のあなたの選択が未来を変える

「世界の大きな動向を個人は変えられない」とお考えですか? 少し別の視点から考えてみてください。食品の購入・消費は、私たち消費者が自分の思いを生産者に伝える有力な手段です。私たちは、消費を通して生産者に「作り続けてください。私が買い続けますから」と伝えているのです。需要が供給を作り出しているのです。言い換えれば、私たちが肉食をすることで、生産者には「もっと多くの動物を傷つけ、殺して」と頼んでいることになるのです。そしてそれは、飢餓の拡大にもつながっています。

ですから、「動物を苦しめたくない」「飢餓に苦しむ人を増やしたくない」「地球環境を守り、次世代につなげたい」という思いを実現するには、自らの食生活をノーミート、低炭素の食生活に変えること――つまり自分自身が行動することが一番着実で、そんな人々が増えることが最も効果的な方法なのです。それが社会を変え、未来を変えることにつながります。

困っている人に手を差し伸べるように、貧しい国の人々や生物、地球環境などに配慮する食生活を少しずつ始め、または続けていきませんか。それは健康増進だけでなく、きっと自分の心の奥底から喜べる生活になるのです。


 

【ⅰ】環境省ホームページ「気候変動の科学的知見」(外部リンク)
【ⅱ】独立行政法人 農畜産業振興機構ホームページ「畜産の情報」(外部リンク)
【ⅲ】FAOデータベース「GLEAM 3 Dashboard. In: Shiny Apps.」(外部リンク)
【ⅳ】FAO「The State of Food Security and Nutrition in the World 2024」(外部リンク)
【ⅴ】国連世界水開発報告書2023「partnerships and cooperation for water; executive summary」(外部リンク)